【ネタバレあり】エターナルズを見た結果、世界史に詳しい人は余計楽しめる件について
さっそくMCUシリーズ『エターナルズ』観てきました!
題材のスケールがあまりに大きいようでいて
絶妙に僕らの見えている世界と似たところを感じさせる神秘的な作品でした。
ヒーロー好きの僕としてはこの感情を抑えきれなかったもので
これから鑑賞される皆様と感情の共有ができるんじゃないかと思い
ここに感想を書き記しておきます。
そのため、これから下にスクロールしますと映画『エターナルズ』のネタバレを含む内容となりますので
ぜひご鑑賞いただいた後に、読んでいただければと思います。
それではネタバレ含む感想を話させていただこうと思います。
今作『エターナルズ』
とにかくスケールが壮大。
前提となる情報を手に入れた状態で視聴したため、いろいろ覚えて帰ってくることができました。
セレスティアルズ?ディヴィアンツ?セレスティアルズの作ったのがエターナルズ?実はディヴィアンツも?
いろいろあるので思い出せる限り順番に行きますね。
目次
人類を滅ぼそうとするディヴィアンツに対抗するため送られたエターナルズ
エターナルズは地球上の歴史で言うと紀元前5000年に
人類を滅ぼそうとするディヴィアンツに対抗するため
セレスティアルズによって送られた戦闘部隊です。
戦闘部隊とは言うものの、それだけじゃなく個々に異なる能力を持ちます。
目からビーム、飛行能力、めちゃ早い、人の意識を操る、強烈なパンチ、武器を出現させる、発明家、霊丸、物質の組成を変える、治癒。
それぞれの力を使い協力してディヴィアンツを殲滅していました。
順調に進み、紀元前500年代バビロニア帝国も文明を発展させ、人は助け合い繁栄しました。
エターナルズの発明家であるファストスがバビロンの時代に蒸気機関の知識を人間に与えようとしていたのはおもしろかったですね。
この世界では、地球上の文明の発展はエターナルズがちょっとした知識を地球人に与えていたことからもたらされているという設定になっています。
もちろん蒸気機関は産業革命のときに発明されたものですので(調べたら19世紀でした)、ここで与えては歴史が変わります。
そのためエターナルズリーダーであるエイジャックが知恵を与えるのをやめさせて、もっと簡単なものにするよう指示しファストスが出したのが
鋤でした。農作に非常に役に立ったそうです。
ディヴィアンツは消えたが、人類は内乱もする
せっかく守った人類はエターナルズに被害を及ぼさないものの
それぞれの領地を取り合って内乱が起きることも目の当たりにします。
ドルイグは言います。
『セレスティアルズに言われたから歴史に干渉するな
そんなことがエターナルズの定めなら、僕は内乱を止める。僕を止めるなら殺すしかないぞ。』
と言って組織から抜け人類と生きていく者が現れました。
エイジャックもチームの気持ちを理解していたのか
『それぞれ戦いのことや定めなど忘れて、人らしく生きなさい』
と言い残してエターナルズは解散します。
セレスティアルズがエターナルズを生み出して任務として行動していて
自らを生み出した創造主に背くという展開は
スムーズではありますが、本当に強い意志と覚悟を持って実行したことだということは想像に難くありませんでした。
不自然な地震とエイジャックの死からエターナルズ再集結
時は現代になり、セルシ視点で普通の人類らしく過ごしていましたが
不自然な地震とリーダーであり、エターナルズに自由を与え慕われていたエイジャックが死に再集結していきます。
この様子も現在の1人1人の現在の生活の様子を映していくのですが
それぞれの生き方というものが非常におもしろかったです。
あるものはムービースター、あるものは荒野でパイを焼き、あるものは家族を持ち
エターナルズはディヴィアンツ殲滅で1つとなっていましたが、実は全く違う個性があることがわかります。
その後、リーダーの座をついだセルシは創造主であるセレスティアルズの目的が
各星に撒いたセレスティアルズの種を育て、星の崩壊ビッグバンとともに新たなセレスティアルズを誕生させることだと知ります。
エターナルズを送り込んだ理由は、セレスティアルズの誕生に必要なエネルギーが”星に住む人類の命”であることから
人類を脅かし繁栄を阻止するように捕食していたディヴィアンツを駆除し、餌となる人類を反映させることだったのです。
しかもエターナルズはもっとずっと昔から何度も記憶を消されて利用されており、セレスティアルズに作られた機械であり
星に存在するディヴィアンツも元はセレスティアルズが作り人類の脅威を駆除するために送ったがいつしか人類を捕食するようになったとのこと。
セレスティアルズは自身が増えるために星を思う通りに動かす方法としてディヴィアンツやエターナルズを生み出して
人類を餌としていたのです。
ここの話なんですがエターナルズにとっては絶妙に是とも否とも言い難いですよね。
今まで何度も利用され任務を遂行してきたなら惑星崩壊によるエターナルズへの被害はない。
しかし、人として生きたエターナルズには家族や友人を持つもの、戦争をして人同士で殺し合う中で絶望するも、家庭を持つことで価値ある存在もいるとわかったもの。
中には人と過ごさなかったことや嫉妬により、任務遂行を優先すべきと言うものもいました。
セレスティアルズの誕生、自らの意志とは
最後はエターナルズ同士でセレスティアルズを止める派と誕生を手助けする派に分かれて
戦っていました。そしてそこにディヴィアンツも参戦するのです。
ディヴィアンツは自分を利用して繁栄しようとしていたくせに、いつしかエターナルズを派遣して駆除しようとしてくる
元主のことを憎く思っていました。セレスティアルズの思惑通りに行くのは癪だと思ったんですね。一部分での利害の一致。
『共闘かぁああ!?』
と期待したものですが
よく考えたらそれはありえませんでした。
だってディヴィアンツはエターナルズの一員であるギルガメッシュを殺し能力を奪ったのですから。
ディヴィアンツ VS 止めるエターナルズ
誕生手助けエターナルズ VS 止めるエターナルズ
セレスティアルズ誕生 VS 止めるエターナルズ
こんな構造でした。
争った結果セレスティアルズの誕生は誕生しようとしていたセレスティアルズの力を借りて
阻止することに成功するんですよ。
少し不思議なことですが、エターナルズを信じていたからかそうなるんですよね。
結果地球には平和が戻ったが、指令を出していたセレスティアルズは生きているので
これからエターナルズの記憶を読み取り地球の人類への判断を下す。と言って
エターナルズの大部分のストーリーは終わりです。
エンドクレジット、ブラックナイト
あとは皆さん大好きエンドクレジットの時間です。
2個ありました。
1つはセルシの彼氏ことデインウィットマンが呪われてそうな剣を恐る恐る取るところです。
これは原作読んでる人はわかるそうですね。
ヒーロー側でブラックナイトという人がいて名前がデインウィットマンだそうで。
人の心に反応し、やましい気持ちで剣を取ると呪われるという設定のあるヒーローだそうです。
そして2つ目はエターナルズが行方不明のセルシを探そうとする中
スターフォックスを名乗るものが現れます。胸からエターナルズリーダーの証である金の球体が出てきて
手伝うよとのことでした。
一番目をつけるべきは彼らの意志、とおじさんの意志
個人的にエターナルズでおもしろいのはここだと思いました。
一文で表すならば
『目標にかけた歳月は、人の意志をつよくする 自らの意志とは何か』
という感じです。
僕らは人類なのでもちろんセレスティアルズなんでよくわからない神みたいなやつらの餌となり死ぬのは嫌です。
死んでしまえば未来の宇宙のためとか、セレスティアルズの誕生なんかも何も関係ないですからね。
エターナルズにとってはどうでしょう?
自分は死にませんし、この地球で人類が繁栄する原初のときから存在し
セレスティアルズの指示どおりに活動してきました。
僕ら人間の一生では観測できない数々の出来事を現代になるまでずっと見守ってきました。これもセレスティアルズに作られ任務としてこの地球に来たからです。
歴史には干渉しない。争いがあっても介入しない。争いは人が傷つくことになり、医療の発展にもなり、より人類が繁栄するから。
その結果、セレスティアルズからエターナルズに知らされていなかった本来の目的が達成されることがわかります。
エターナルズが地球にいた日々が報われる日がきたのです。この日のために地球を守ってきた。
どれだけ長い年月だったのでしょう。僕らでは想像できません。
さてそれでは2つの選択肢があります。
1つは、事象を傍観しセレスティアルズの誕生を見守ること。
もう1つは、創造主であるセレスティアルズに背き、地球を人類を守るため誕生を阻止すること。
簡単にできますかね。組織に背くということが。
僕らも社会に属していて、組織で仕事をしています。
組織に背いたって命を取られることはないでしょう。どことなく背くと今までの苦労は無駄になるしやったことないから畏怖を感じる。
その上司がセレスティアルズみたいなもんです。生みの親。
けど逆らう。人類のために命をかけて。まるで洗脳されていたかのような会社に背き出ていく。
これは心も痛いしこれから先が見えなくなる。それがエターナルズのイカリス。
それでも前に一歩踏み出したイカリスに敬意を表したいと思いました。
最後に、キンゴのマネージャー見て感動した
その中でストーリー全体よりもエンドクレジットよりも
一番目についたのは、キンゴについていき誕生を見守る側についた
エターナルズのキンゴと長い付き合いのマネージャーであるおじさん。名前をカルーンと言うそうです。
カルーンはごく一般的な人類です。僕らと同じ側ですよ。見た目年齢は50代ふくよかな体形。常に笑顔に見える人相。
ちょっと愛らしい顔をしてるんですよおじさんなのに。そういう人です。
その彼は誕生を見守る側に行くとしたキンゴについていったのです。
ちなみにキンゴもエターナルズで争いたくないということで戦うわけでもなく、身を引くのです。
そして劇中ではキンゴの良いシーンを収めようとずっとカメラを回してたただのおじさん。
戦力になるわけではない、脅威ではない、歯向かう人間でもないし、長い付き合いでもない。
そんなおじさんにエターナルズは呼び止めることはしませんでしたが
エターナルズに物悲しそうな顔をして『別れが惜しいよ、今までありがとう』と告げてキンゴの後を追うおじさん。
ここでぶわっときました。
え?なんで?と思う方もいるのかもしれませんので理由を書いておくと。
おじさんの天秤として両側に置かれていたのは
まだ生きていたい!キンゴさんごめんなさい!と誕生阻止側につくこと。
キンゴさんに一生ついていきます。人類が滅びてしまうのは悲しいですが。と誕生手助け側につくこと。
自分が死ぬのを黙って観て、最後の時までキンゴさんのマネージャーでありたいという意志がある。
キンゴとの絆の深さたるや
一体どれだけの出来事と時間をともにしてきたんだ!?
それはあんたの死を納得させるほどのものだったのか。
エターナルズへの敬意も忘れることなく別れを告げて、キンゴについていくんです。
誕生傍観側として!!
どんな気持ちで選択したんだ。あんなただカメラ回してて
キンゴ戦闘中も熱心にカメラ回してて、一撃くらわされたものならすぐ死んでしまいそうで。
キンゴのせいだけど、エターナルズのみんなにカメラ壊されてもスマホ壊されても
怒ることなく『これは改善すべき問題ですな』って
彼がいるところはギャグシーンというか場を和ませるというか
とにかくそういう立ち回りのキャラが最後に別れを告げるシーンは一番泣けました。
なぜかと聞かれると、以上のような表現になるんですけど
うまく伝わってくれれば幸いです。